ワインをめぐる様々な知識、情報、技術等々であなたは疑問に思ったことはありませんか??あまたのワインをめぐる疑問に対し、ひとつひとつ自らが立ち向かい、解きほぐしていこう!そんな大それたことをここでは紹介していきたいと思います。しかし、ここで紹介されるのは私個人の主観的な結果であって、普遍的な情報となりえないことをご了承ください。「ワインは生き物」ですからね(笑)

No1. グラスを選ぶという楽しみ −ブルゴーニュ赤−

 ワインを飲むとき必ず必要なものは・・・コルク抜き、入れ物、飲む人ですが・・・今回はその入れ物について考えてみました。別に紙コップでワインを飲んでもいいやって人もいらっしゃるのでしょうが(かくいう私も4年前はそんな感じ)それではワインの楽しみをひとつ放棄していますよね。グラスのほうが美味しく飲めるからグラスを使え!!って強制する気はありませんが(これが行き過ぎると口うるさいワインマニアになってしまう)これから抜栓するもしくはしたワインをさらに美味しく飲むために、どのグラスを使うのかって選ぶのはワインの楽しみのひとつですよね。で、今回は、ブルゴーニュ赤にスポットを当てて、どのグラスを使えばどんな味に感じられるのかを比べてみました。

 で、サンプルに選んだのが個人的に好きなG. ルーミエのブルルージュです。先入観的イメージでは、赤系果実の豊かなチャーミングなピノって感じでした。さて・・・どうなることやら。

 このワイン用に用意したグラスは3種類。我が家のスタンダードグラスになっているクリスタルダルクのパドヴァ・ブルゴーニュ、ワイングラスといえば誰もが思い浮かべるリーデル社がニューワールドのためにデザインしたと言われるエクストリームシリーズのピノ・ネッビオーロ、オーストリアのハイエンドグラスメーカーのロブマイヤー社バレリーナ・ブルゴーニュです。ブルゴーニュ赤を飲むためにって一口に言っても熟成しているのかそうでないのか、ニュイかボーヌか、グランクリュか村名かなどなど諸条件によって大きく変わるので、どれが合うかというよりどのように感じ方が変わるかにスポットを当てて比較します。

 まずは我が家のスタンダードグラス、クリスタルダルクのパドヴァ・ブルゴーニュグラスです。我が家では、赤でも白でもボルドーでもブルゴーニュでも、イタリアでもニューワールドでも基本的にこのグラスで飲んでいます。その理由は、価格が安い!飲み口がまぁまぁ薄い(ヴィノム・ボルドーに相当?)香りもまぁまぁたまるフォルムである、飲み口が少し外向きなチューリップ型で舌先にワインを誘導し甘みを感じやすいなどからです。マイナス面としては、少し重い、洗いにくい、やや酸を強く感じるといった点でしょうか・・・。

 さてこのグラスでルーミエのブルゴーニュ・ルージュを飲むと・・・はじめは黒系果実の香りが強く感じられ、果実の甘い風味が特徴的です。香りの立ち上がり方は控えめながらバランスはよさげ。味わいのほうは果実の甘みをしっかりと感じ、きれいな酸、旨み、果実味があとからバランスよく広がります。余韻の感じ方は普通かな?可もなく不可もなくです。他と比較するとやや厚い飲み口に感じられます。しばらく時間を置くと甘みが押さえられて酸味が感じられるようになってきました。全体的なイメージとしては中庸な味わいといえます。まぁ・・・よくも悪くもスタンダードなグラスというイメージです。ワインに合わせていろいろグラスを買い揃えるっていうんじゃなかったら、一番使い勝手のよいグラスだと思いました。おそらくこれからも我が家のスタンダードグラスでしょう。ちなみにグラスどうしをチーン(あんまりしちゃいけないけど)とすると一番きれいないい音がします。

 次はリーデル社のエクストリームシリーズからピノ・ネッビオーログラスです。かなり極端なダイアモンド型で容量も一番大きいし、一番重いです。これは、よくいくお店でブルゴーニュを開けると8割方このグラスが出てくるんですね、その際にけっこういいかもって思ったので購入してみました。いいなと思ったのは、果実の甘みや凝縮感をより強調してくれるのでクラスが低いブルゴーニュを飲むときに重宝しそうかなと・・・。そんないいワインばかり飲めない身分の私には、こういう裏技的なことをやってくれるグラスがいい!と思っていましたので。

 さて、これでルーミエを飲むと、最初は、木質的なニュアンスの香りでジャミーな果実の風味が強くて、濃い目のイチゴのようなニュアンスを感じます。グラスのフォルム、容量のためか、かなりしっかりと香りは立ち上ります。味わいは酸味をより強く感じ、こちらも木質的なフレーバーが目立ちました。さらにタンニンをしっかり感じ、時間がかかるなぁ〜っていう印象を受けました。それから、時間と共に香りの厚み、甘みが増し味わいも凝縮感のある甘みをより感じる方向に変化しました。最終的には甘すぎるというか、過熟を思わせる方向に行ってしまったので、ルーミエには合わなかったかも・・・。とはいえ実に特徴的な味わいを感じさせるグラスでした。

 

 さて、最後に登場するのは我が家の最も高級品(笑)ワインもこんなに高くないっていうロブマイヤー社のバレリーナシリーズからブルゴーニュグラスです。まるで羽が生えているように軽いグラスで、脚の一番細いところは3mmしかない!!飲み口もびっくりするくらい薄く、かなり高級そうなグラスです。デメリットとしては・・・高い!洗えない!!ちょっとフォルムが不細工って感じでしょうか。

 このグラスでルーミエを飲むとですね・・・ふっふっふっ(怪)美味いです(笑)。最初は、口の広いグラスの形からか香りは控えめですが、赤系果実のきれいで上品な香りを感じさせ、じつに高貴な雰囲気です。だんだんと薔薇のようなニュアンスも感じられるようになり、期待させてくれます。味わいはほっそりと入ってきて、麗しく広がる各要素が実に素晴らしい!適度な甘み、酸を感じさせ、余韻は一番長く感じさせてくれます。じつに上品!!いかん・・・時間を置けば置くほど余韻の長さ、上品さがレベルアップしていきます。赤系果実の可愛らしい味わいはそのまま、どんどんワインが育っていきます。素晴らしい!!はぁ〜本当にびっくりです。ワインのランクが1つも2つも上がったような素晴らしい味わいになりました。ルーミエにはこのグラスがあってたようですね。

No2. 若いブルゴーニュ ‐赤‐ にデキャンタージュは必要か!?

 デキャンタージュをすればワインは美味しくなるのか?常々疑問でした。私の拙い経験では、どのような種類のワインでもデキャンタージュをしないほうが美味しいように感じます。確かに、固く閉じこもっているワインや、タンニンが旺盛なワインを柔らかくさせる効果はあると思いますが、これも時間をかけてワインを楽しめば同様な効果、むしろそれ以上?の効果が得られると思います。とはいえ大人数で飲む場合など、時間をかけて1本を楽しめない時はなんらかの処置が必要になるのもまた事実ですね。わからない事は実際にやってみよ〜ということで、実験してみました。

銘柄:ヴォーヌ・ロマネ 02' ドメーヌ フランソワ・ラマルシュ
概要:テイスティング後に約1/3をデキャンタに移し、2/3はボトルのまま放置。15分後と1時間後のそれぞれの味わいの違いを検証してみました。

抜栓直後
 かなりタニックで酸のトーンが高い。香りには美しい薔薇を感じるのでポテンシャルは高そうなワイン。デキャンタージュ実験には最適なサンプル!?

15分後
 デキャンタのものはかなりタニックで渋味の強い感じに。香りもあまりあがってきません。クリーンさは思ったより損なわれていません。ボトルの物はまだまだ酸のトーンこそ高いものの、華やかで気持ちのよい赤い花の香りがあって、味わいもシャープです。僅かに甘味も感じられます。

1時間後
 デキャンタのものはタンニンも落ち着き丸みを帯びた感じになってきました。華やかさや可愛らしさも感じられますが、自己主張は控えめ。アルコール感がより強く感じられるようになりました。美味しくないわけではありませんが、ちょっと没個性な面持ちです。ボトルのものは、クリーンさもそのままに赤い花の香りやリキュールを思わせる甘酸っぱい香りなど複雑な風味になっています。まだ酸のトーンは高めですが、バランスよくきれいな味わいなので美味しくいただけます。いろいろな表情を見せてくれるので、個人的にはこちらのほうが好きです。

 ボトルのものは、この後どんどんと美味しくなっていきそうでした。デキャンタのものは複雑さが削がれたように感じます。デキャンタのワインは、15分と1時間の間(30分位?)の時間経過したものがバランス的に許容できる味わいだったように思います。どこかで「デキャンタージュは引き算である。」という格言を耳にしましたが、まさにその通りで、突出した要素が引かれて後に何が残るかが勝負だと思います。

No3. ちょっと熟したブルゴーニュ -赤- にデキャンタージュは必要か!?

 いったいいつのテキストかよ・・・って言われそうですが、昨年末にミシェル・グロのニュイ・サン・ジョルジュ プルミエクリュ 98' を飲んだ際にまたまた実験してみました。半分をボトルで、半分をデキャンタに移して味わいの経時変化をレポートです。

銘柄:ニュイ・サン・ジョルジュ 98' ドメーヌ ミシェル・グロ
概要:テイスティング後に約1/3をデキャンタに移し、2/3はボトルのまま放置。15分後、25分後と時間を区切ってテイスティングしました。

抜栓直後
 青物っぽさを感じさせる香りに上質の樽香、味わいには均整の取れ始めた酸とタンニンが同居していて、やや果実味に乏しくやや酸欠状態。

15分後(ボトル)
 酸はやや落ち着きを見せ始め、タンニンもこなれてきました。香りには樽由来のチョコやコーヒーに加えてスミレやクロスグリのニュアンスも。味わいにもスモーキーな甘みがあり、らしい雰囲気にはなってきましたが果実味の不足を感じます。時間と共に甘くはなってきています。

25分後(デキャンタ)
 「デキャンタージュは引き算」といいますが、確かに引き算の要素もありますが、印象としては活力に満ちた若い味わいに変化してきました。いい方向に作用しているかな?香りに青物感はあるものの嫌味でなく、味わいもこじんまりまとまり、ギスギスした感じや雑味が消えました。ある意味バランスはいいです。

30分後(ボトル)
 重心の低い黒系果実(ダークベリー、クロスグリ)の味わいに品と格を感じるようになってきました。複雑味、厚み、重さ、香りの力強さなどの要素はこっちが上、ただタニックさも残り、今この瞬間の評価は好みに左右されそうです。かなりスモーキーなエスプレッソ、ビターなチョコ、焦がしたオークのニュアンスを感じます。

1時間後(デキャンタ)
 あいかわらず均整の取れた美味しさがあり、あくまで好みだけどこれはこれで美味しいワインといえます。ボトルと比較すると主張は控え目です。だんだんと揮発性の香りが強く出てあまり果実や樽の香りを感じられなくなってきました。しかし、甘みと酸、タンニンのバランスはよく飲みやすい味わいです。

1時間後(ボトル)
 まだまだ育ちそうな雰囲気を残したタニックさと酸、初期に比べてだいぶ飲みやすくなってきました。格という点ではデキャンタよりもこちらのほうが上ですが、飲みやすさという点では逆かな。重心の低い果実の旨みは印象的なものなので個人的にはこのタイミングの味わいで飲み始めたいです。

 98年とともすれば閉じている銘柄もありそうなビンテージでしたが、ミシェル・グロのこのワインは割と素直だったように思います。前回同様、デキャンタのものはバランスの取れたタイミングが短く、その瞬間を逃すとちぐはぐな味わいになりそうです。デキャンタしてから30分ぐらいから飲み始め、数十分で飲みきるのがいいかなという印象です。時間をかけれるようであれば、3分の1ほど飲んで1時間待つか、テイスティングだけして2〜3時間放置するというのがよさそうですね。

 

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